おそらくすべて、ただひとえに、一人に宛てた手紙

彗星

きっときみは彗星にのってやってきた

あの年の流星群の夜

きみはその中の一つに運ばれて

きみのママのお腹にやってきたんだ

 


そう言うときみは笑うんだ

可笑しそうに

楽しそうに

 


恥ずかしいことを

恥ずかしげもなく言ってみせる

ぼくのことを

よくロマンチストなんていうけど

違うんだよ

普段の僕は絶対に言わない

言わせてるのは

きみなんだ

馬鹿みたいに素直な

きみのせいなんだよ

 

 

 

 

 

 

さよならって言葉より

またねって言葉のほうが好きだよ

またねって言って

もう会わない

そんな、あり得ること

こわくおもうぼくは

きっとどっか

おかしいんだろう

 


またねって言葉より

さよならのほうがあってる

またねって言って

本当に会えるかしら

あなたと別れたすぐ後で

考えてしまう

そんなわたしは

きっと

心配性なんだ

 


でも、知ってしまったんだよ

あなたの死を見て

気づいてしまったんだよ

命に生があること

生に終わりがあること

でも、知ってしまったんだよ

あなたの生をはじめて見たとき

命にも終わりがあること

終わりにもはじまりがあることを

だから

壊さないで

壊されないで

身勝手でも

何度でも

あなたに叫ぶよ

せめて

ぼくがぼくであるうちは

きみはきみのまま

居て欲しいよ

生きてほしいよ

 

 

 

さよならって言葉より

またねって言葉のほうが好き

手を振って

約束しよう

きっとまた

どこかで必ず出逢おう